「第6大量絶滅」を食い止められるのか? これまでの「絶滅」に学ぶ

地球の生態系には「大量絶滅」という大事件が幾度かありました。そして今、第6回目の大量絶滅が起こっているという研究報告があります。ハーバード大学のエドワード博士によると、今回の大量絶滅の原因は「人為的」なものであるとしています。人類は「第6大量絶滅」を食い止められるのでしょうか? これまでの「絶滅」を学んでみましょう。

「クニマス」はなぜ絶滅に至ったか?~田沢湖酸性化の原因とは

      2015/11/05

最近、テレビ等で記者会見の様子が報道されました。

日本の固有種の鮭の仲間、「クニマス」の発見についてです。

日本の有名なタレントであり魚類学者の「さかなクン」がテレビ記者会見に登場していました。
彼らしく、狼狽した様子で喜んでいましたね。

(共有:アサヒ・コム動画 クニマス発見立役者のさかなクン会見)

2010年、京都大学教授の魚類学者「中坊徹次博士」がクニマスを求めていました。

タレント、イラストレーターで東京海洋大学客員準教授の魚類学者「さかなクン」にクニマスのイラストを依頼していました。

彼は、その依頼のイラストを書くために各地から「ヒメマス」を取り寄せていたのです。

この時、あるヒメマスを「これはもしやクニマスではないか?」と考え、依頼者の「中坊徹次博士」に見せます。
解剖、遺伝子分析を経て「西湖のクロマス」は「クニマス」であったことが判明したのです。

冒頭の2010年12月15日の記者会見で発表されました。

クロマスを実際に食べた人たちは、「塩焼き」など美味であったと言っています。

この記者会見の2日後には直ちにクニマスを故郷へ返すプロジェクトが発足しました。
しかし田沢湖の水質は大規模に酸性化しているため、まだクニマスの里帰りは実現していません。
「クニマス」は江戸時代、秋田藩「竹本家」が他諸国各藩への献上品や贈答品に、干物、粕漬けなどの加工食品として利用していた魚です。
長期保存が可能な「国鱒塩引き」が記録に残されています。
当時は「高級魚」扱いで、専業漁師がいたそうです。

「クニマス」は「絶滅」から「野生絶滅」に変更され、今後「絶滅危惧種」を経ないで「天然記念物」扱いで保護される見通しがついた日本固有種の魚類です。

クニマスは2007年に「絶滅」とされました。

生息していた場所は秋田県田沢湖でした。
ここは、この湖に水系として別の玉川が近郊に有り、その川に水が入り、田沢湖の生態系、を破壊しました。

玉川は「玉川温泉」として有名で、現在も「温泉」としては良質な温泉です。
この川は地質の影響で強い酸性で、ほとんど生き物がいない川でも有名でした。

古くから、「玉川毒水」として知られていました。
この川の水を工業用水として利用することはできませんでした。
強い酸性水のため金属機械を腐食させるからです。
また、その酸は農業用水としての利用もできませんでした。

1940年、水力発電所として利用されました。
その排水を田沢湖へ放出したのです。
これが原因で、田沢湖が酸性化し、生態系に大打撃を与えてしまいました。

「クニマス」は、田沢湖のみの固有種でした。

クニマスはベニマスの陸封型である「ヒメマス」の亜種と考えられ、完全な淡水生態系で繁殖するマスの仲間です。
古くから食の膳にあがった高級淡水魚でした。

1940年に放水が始まった田沢湖の水質環境は悪化し、「田沢湖固有種クニマス」は1948年、絶滅とされました。

1935年にクニマスの「発眼卵(孵化していないが、卵の外側から透けて、内部の稚魚の眼が確認できる状態の卵)」を国内各地の湖に送っていました。
詳しい記録は残っていませんが、このとき、富士五湖のひとつ「西湖」にも送られていたようです。

西湖では、黒っぽい魚でヒメマスの不良変種と考えていた「クロマス」の棲息は知られていました。

しかし西湖の「ヒメマス」を目当てにする釣り客にとって、「クロマス」は色が好かれません。
「クロマス」は「マズイヒメマス」と考えて嫌い、「キャッチ・アンド・リリース」が当たり前でした。

クロマスがマズイ魚と言い出したのは単純に色の悪いヒメマスと考えただけで、いわゆる「食べず嫌い」だったのです。

清流

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